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平戸の聖地と集落
春日集落と安満岳/中江ノ島(平戸の聖地と集落)
Kasuga Village and Mt. Yasumandake/Nakaenoshima Island(Kasuga Village and Sacred Places in Hirado)
平戸の聖地と集落への訪問にあたって
構成資産「平戸の聖地と集落」では、来訪者の方々にご利用いただける案内所や駐車場が整備された拠点がございます。
ご訪問の際にはそのような施設等をご利用のうえ、集落内では駐車や交通マナー等にご配慮のほどお願いいたします。(中江ノ島は上陸不可です)
- 春日集落 案内所「かたりな」 TEL:0950-22-7020
- 安満岳 登山口駐車場
構成資産に含まれる文化財等
名称 | 区分 | 指定年 |
平戸島の文化的景観 | 国選定重要文化的景観 | 2010年 |
この地域におけるキリスト教の歴史(概略)
平戸地方におけるキリスト教の歴史は、1550年にイエズス会の司祭フランシスコ・ザビエル(Francisco de Xavier:1506-1552)がコスメ・デ・トルレス(Cosme de Torres:1510-1570)、修道士のジョアン・フェルナンデス(Juan Fernández:1526?-1567)、鹿児島のベルナルド(日本人名不明)を伴って平戸を訪れたことにはじまります。1557年に松浦隆信の重臣・籠手田氏が受洗して以降、平戸一帯に広まっていきました。
平戸北西部では、718年に加賀白山から勧請された白山比賣神社、同時期に創建された西禅寺による神仏の霊山だった、安満岳周辺においてキリスト教の布教が開始されると、勢力の敵対が起こりました。
1568年に領主となった松浦鎮信は真言宗徒であったため、キリスト教に対する弾圧を強め、白山比賣神社・西禅寺の勢力が再び強さを増します。
1614年の禁教令以降、この地のキリシタンたちは潜伏して信仰を継続します。
しかしながら司祭不在が長引くにつれ、日本古来の宗教感覚などから、安満岳への信仰心と、キリスト教の信仰や崇敬が次第に混交し、独自の信仰形態が形成されていきました。
一方、1622年ごろから多くのキリシタンの処刑がおこなわれていた殉教の島である中江ノ島は、彼らにとっての聖地とされてきました。この島では、洗礼などに使用する聖水を採取するための「お水とり」と称する儀式がおこなわれました。
信仰形態の沿革
平戸西部・生月地区のキリシタンたちは、禁教期には安満岳を「お山様」と呼び、また「お山講」という儀礼をおこなうことで、彼ら自身の信仰を続けていきました。
春日・小春日地区のキリシタンたちは、慈悲の組(ミゼリコルディア)の組織を中心とし、信仰を守ったとされています。
この地域では丸尾山を聖地とし、神官を呼んでおこなう「おこもり」という行事など、神道の影響が窺える慣習がみられます。
春日・小春日地区にはそれぞれカクレキリシタン組織がありましたが、春日地区では昭和40年代に、小春日では1997年頃に解散され、組織的な行事はおこなわれなくなりました。
周辺環境と立地
春日集落及び安満岳は平戸島北西部に位置しています。安満岳の標高は530mで、平戸島では最高峰の山です。
上述の西禅寺は現存しておらず、跡地には庭園遺構や多数の宝篋印塔が残されています。
また、山頂にはカクレキリシタンの信仰対象とされた、石塔や石祠がみられます。
平戸島と生月島からそれぞれ2km沖合にある中江ノ島は、長さ400m、幅50mほどの無人島です。
カクレキリシタンが聖水を汲むため、船を寄せて採取する行事がおこなわれていた島であり、現在は上陸不可となっています。
概要
事前連絡 | 不要 |
住所 | 長崎県平戸市春日町(春日集落)、主師町(安満岳)、下中野町(中江ノ島) |
駐車場について | 春日の棚田見学者駐車場(春日集落) 安満岳登山口駐車場(安満岳) |